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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme

Aozora Bunko

風雨はいよいよ勢いを加え、林や森は闇の中で、幹を軋らせ枝を振っていた。

民弥と梶子とは松明の火で、路を照らし岩壁を照らし、尚宛なく洞窟内を、不安をもって辿っていた。

三十郎を取り逃がし、兵庫や右内や菊女などをも、乱闘によって見失った今は、ただひたすらこの洞窟から、外へ出るべく苦心する以外、とるべき手段はなくなってしまった。

それにしても民弥や梶子にとり、兵庫や右内や三十郎や、菊女などとこのような島の中の、このような岩山の洞窟内で、邂逅したということは、何んという驚くべきことだったろう!

が、ああいう際であった、聞くことも話すことも出来なかった。

だからどうしてこのような所へ、どうして来たかということについては、全く知ることは出来なかった。

解らないままにチリヂリになり、幸い二人だけは一緒になれたので、こうして歩いているのであった。

二人は時々大声を立てて、兵庫や右内や菊女の名を呼んだ。

答えるものは自分たちの声ばかりであった。

時に二人は立ち止まって、自分たちを呼びはしないだろうかと、耳をすまして聞いたりしたが、声はどこからも聞こえなかった。

二人はあてなしに進んで行った。