Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
若い壮健な人間を見ると、反感ばかりが感ぜられるらしい。
「紀州の御曹司萩丸殿か、アッハッハ、何を馬鹿な、たかが大名の小忰じゃ、鶏を締めるように締めるがよろしい」
それから烈しく咳入った。
一座何んとなく鬼気に襲われた。
で、寂然と静かであった。
と、三十七、八歳の、足洗主膳が静かに云った。
「既に紀州の萩丸殿は、我らの手中にありまして、監禁されておりますれば、活かすも殺すも自由自在、でそう性急に命を奪うことに努力する必要はありますまい。……」
主膳は祖父以来福島家の家臣、福島家お取り潰しになってからは、ずっと浪人しているのであって、今はしがない売卜者として、両国辺へ店を出していたが、学問もあり思慮にも富んでいる、なかなか立派な人物なのであった。
「さようさよう」
と吉田彦六が云った。
「人の命を奪うは易く、助けて効を納めるのは難い、辛抱して効を納むる方、よろしかろうと存ぜられますな」
この彦六は慶安義徒の一人の、吉田初右衛門に有縁の者で、五十に近い年であり、業は寺小屋の師匠であった。年輩だけに穏健で、それになかなかの功利主義者でもあった。
「手ぬるい手ぬるい!」