Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
と、四人の中の一人の武士が、そういかめしく呼び止めた。
が、三十郎は返辞もしないで、同じ歩調で歩いて行った。
「浪人待て!」
ともう一人の男が、立腹したように声をかけ、すぐ背後に近寄ると、片手で三十郎の袖を握った。
「チェッ」
と三十郎は舌打ちをして、向こうを向いたままで右の肘を、グッと胸まで持って行った。
「わッ」
海老のように躰を曲げ、肩から胸板まで斬り下げられた男は、朱に染まって地に仆れた。
「斬ったぞ!」
「さてこそ!」
「辻斬りのオン敵!」
「遁がすな!」
と後の三人は喚いた。
が、同僚がノタウチながら、地上を蜒り蜒っていた。
うっちゃっておくことは出来なかった。
で、一人が介抱に残り、二人が曲者の後を追った。
しかしこの時にはもう三十郎は、遙か向こうを走ってい、そこに出来ていた四辻を、左の方へ曲がって消えた。
しかし二人の変装した藩士は、追うのを断念しなかった。
つづいてすぐに四辻を曲がった。
と、曲がった一瞬、大胆にも曲者が向かって来た。
「朋輩の敵!」
「辻斬りの悪漢!」
左右から切り込んだ。
と、曲者は飛び退いたが、
「人違いでござろう、粗忽なさるな!」