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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこまち

猫町 他十七篇

萩原 朔太郎

Lesen Sie 猫町 他十七篇 (ねこまち) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.483 Zeichen · 58 Bildschirme

Aozora Bunko

断じて自分は、そんな老醜を世に曝すまいと決心していた。ところがいよいよ五十歳になってみると、やはりまだ生に執着があり、容易に死ぬ気が起らないのは、我ながら浅ましく、卑怯未練の至りだと思う。

しかしこうした考えを持ってるのは、おそらく僕や堀口君ばかりでなく、一般の芸術家に共通したことだと思う。「芸術家に年齢なし」という言葉は、芸術家が、精神上において永遠の青年であることを言ったのだが、精神上において、永遠の青年であることを欲するものは、同時にまた肉体上においても、永遠の青年であることを欲するところの人々である。肉体や容色の美を財産とする俳優や女優たちが、世の常のいかなる人にもまして、老いを悪夢のように恐れ厭うのは当然であるが、そんなことに関係のない文学者や詩人たちも、老いを恐れ厭うことの心理においては、決して彼らの俳優たちと変りがない。故芥川龍之介の自殺については、色々な動機が臆測されているけれども、或る確かな一説によれば、あの美的観念の極度に強い小説家は、常に自分の容貌のことばかり気にして、老醜を曝すのを厭がっていたということだから、あるいはおそらくそうしたことが、有力な動機になっていたかも知れないのである。