Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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でんえんじょうちょうあり

田園情調あり

佐々木 邦

Lesen Sie 田園情調あり (でんえんじょうちょうあり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.319 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

「さあ。漁がなければ行く」

「魚の方が面白い?」

「うむ。退屈したら行く」

「それじゃ当てにしないで待っているわ」

「釣れる積りだから当てにしない方がいゝ。それよりも帰りは何時?」

「三時の下りで帰ると丁度トボ/\頃でしょう」

「僕も三時までには勝負をつける。一緒に帰ろう」

「えゝ。駅で待っているわ。魚を貰って」

「貰わなくともいゝよ」

大岩に着いて直ぐに別れた。帰りは三時何分の汽車で一緒になったが、好晴の日曜だ。釣客が一時にドッと帰るので、乗り込んだらもう動けない。市の駅で下りてバスに乗った。そこも一杯だった。バスから下りたらもう日が暮れていた。

家まで可なりある。二人はそれが書き入れだった。

「大漁ね、それなら」

と秋ちゃんが寄り添った。秋ちゃんも魚のおみやげを提げていた。

「うむ。当ったんだよ。今日は」

「道理でお昼に待ちぼうけを食ったわ。伯母さんも泉の水町さんがお出になるって、張り切っていたのに」

「悪かったな。一生懸命だったものだから」

「やっぱり魚の方がいゝのね。私よりも」

「うむ」

「いゝわよ。さよなら」

「冗談だ。待っておくれ」

と水町君は二足三足駈けて追いついた。