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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんちょうさらやしき

番町皿屋敷

岡本 綺堂

Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

こうした鬼ガ島のような荒屋敷へ、年の若いひとり娘を住み込ませるのは何だか不安のようにも思われたが、目見得もすんで双方が承知した以上、母はどうすることも出来ないので、用人の前で主従の契約を結んで帰った。

それからもう足かけ三年の月日は過ぎた。殿様も家来もみな喧嘩好きである。白柄組の旗本衆もたびたび出這入りする。しかしどの人もうわべの暴っぽいには似合わないで、底には優しい涙をもっている。喧嘩を買い歩くのが商売と聞けば、どうやら怖ろしくも思われるが、それも惰弱に流れた世人の眼を醒ます為だという。そうした入訳を胸に置いて、あの衆の気象をよく呑み込んで御奉公していれば、なにも勤めにくいことはない。うわべはおとなしそうに見せかけて、底意地のわるい人達の多いところに奉公しているよりも、こうした御屋敷の方が結句気楽であると、お菊は母に話していた。

そうはいっても、母の身としてはまだ幾らかの不安が忍んでいた。白柄組の喧嘩沙汰は日増しに激しくなって来るらしく、ゆく先々でその噂を聞かされる度に、お菊の母は胸を痛くした。白柄の大小を差し誇らして江戸市中を押し歩く一種のあばれ者は、自分の娘の主人である。