Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんちょうさらやしき

番町皿屋敷

岡本 綺堂

Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「これ、播磨」と、真弓は甥を見返った。「ここは往来じゃ。詳しいことは屋敷へ来た折にいいましょうが、武士たるものが町奴とかの真似をして、白柄組の神祇組のと、名を聞くさえも苦々しい。引くに引かれぬ武道の意地とか義理とかいうではなし、所詮は喧嘩が面白うて喧嘩をする。それが武士の手本になろうか。あぶれ者共のするような喧嘩商売は、今日かぎり思い切らねばなりませぬぞ。肯かねば伯母は勘当じゃ。判りましたか」

何といわれても、播磨はこの伯母が苦手であった。所詮頭はあがらぬものと諦めているらしく彼は伯母の前におとなしく降伏していると、真弓の裲襠姿はやがて再び乗物に隠されて、生肝でも取られたようにぼんやりしている奴どもを後に、麹町の方へしずかにその乗物を舁せて行った。

そのうしろ影を見送って、今までうずくまっていた主人と奴とはほっとしたように顔を見合せた。そうして、一度に大きく笑い出した。

二

「お腰元の菊の母でござります。娘にお逢わせ下さりませ」

やがて三十七、八であろうが年の割に老けて見えるらしい女が、番町の青山播磨の屋敷の台所口に立って、つつましやかに案内を求めると、下女のお仙が奥から出た。