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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんちょうさらやしき

番町皿屋敷

岡本 綺堂

Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

四

しかしあの伯母御がお叱言のほかに何のお話があることかのう」

「もしや御縁談のことではあるまいか」と、お仙が口をいれた。

「うむ、そのような噂も聞いた」と、権六は気のないようにいった。「あの伯母御もよくよく世話焼きじゃと見えて、何の彼の小煩いことじゃ。白粉嫌いの殿様が面倒な女房などを滅多に持たりょうかい。わはははは」

「奥様をお持ちなさるまいか」と、お菊は探るようにきいた。

「そりゃお断わりに決まっているわ」と、権次もいった。

「飯田町の大久保様の娘御というのをお前達は御存知か」と、お菊は又きいた。

生ぬるい女子などを眼中に置いていない奴どもは、よその屋敷の娘などは知らないといった。しかし大久保は男の児のない家であるから、嫁にやるというのは二番娘であろう。妹娘は姉よりも器量がすぐれて好いという評判であるが、一度も見たことはないと彼等は話した。

「そのように美しいのかえ」と、お菊はふるえ声で念を押した。

「という噂だけのことじゃよ」

奴どもは身にしみて相手にもなってくれなかった。

四

伯母が帰るのを送り出して、播磨もすぐにどこかへ出て行った。権次も権六も供をして出た。