Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばんちょうさらやしき

番町皿屋敷

岡本 綺堂

Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

「思いも寄らぬ椿事が出来いたしました」

主人の顔を見ると、十太夫はすぐに訴えた。

「思いも寄らぬ椿事……。十太夫にも似合わぬ、何をうろたえておる」と、播磨は笑っていた。

「いや、わたくしもうろたえずにはおられませぬ。殿様。大切のお皿が一枚損じました」

播磨の顔色も嶮しくなった。

「何、大切の皿を損じた……」

「腰元の菊めがあやまちで、真っ二つに打割りました」

「菊を呼べ」

呼び出されてお菊は奥へ行った。彼女は割れた皿を袱紗につつんで持っていた。若党が運び出した燈火に照された彼女の顔はさすがに蒼ざめていた。播磨は静かにきいた。

「菊。高麗皿はそちが割ったに相違ないか」

自分の疎匆に相違ないとお菊は尋常に申立てた。お家の宝を損じたのは自分が重々の不調法であるから、どのようなお仕置をうけてもお恨みとは存じませぬといった。

「まず以って神妙の覚悟だ」と、播磨はうなずいた。「青山の家に取っては先祖伝来大切の宝ではあるが、疎匆とあれば深く咎める訳にはまいるまい。以後はきっと慎めよ」

以後を慎むのはいうまでもない。大切の宝を破損した咎めは、唯これだけで済んでしまったのである。