Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme

Aozora Bunko

わしは大げさに驚いて見せたものだ。

「あの方は、なくなった主人が、兄弟の様に親しくしていた方でございましょう。あたしも本当に兄さんの様に思って、おつき合いしているばかりで、余り親しくなり過ぎて、そんな事考えるのもおかしい程ですわ。結婚なんて思いも寄らないことでございます」

「そうでしたか。あなたがそういうお気持なら、わしは安心しましたよ」

そういって、わしはちょっと好色な目つきをして見せた。

「エ、安心なさいましたとは?」

瑠璃子は、ちゃんとわしの心を察しながら、そしらぬ振りで聞き返す。

「ハハハ……イヤ、そう真面目に尋ねられては困りますが、……わしはね、あんたが再婚すると聞いて、実はひどく失望していたのです」

白髪白髯の老人が女を口説くのは、仲々むずかしいものだ。いくらかは老年のはにかみという様なものを見せなければ、お芝居が本当らしくない。わしはそこで、妙な空咳をして、無暗と髭をこすって見せたものじゃよ。

それに、考えて見ると、わしの立場は実に何とも云えぬ異様なものであった。わしは正しくわしの女房に違いない女を、まるでみそか男か何ぞの様に口説いているのだ。