Japanische Klassiker mit Furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme
恐ろしき笑顔
「高い声では申せませんが、大牟田の若様は申分のない方でしたが、それに引きかえ、奥様の方は、どうもちと、……」
と言葉をにごす。
奥様とは云うまでもなく、我が妻瑠璃子のことだ。あのいとしい瑠璃子を「奥様がどうもちと」とはけしからぬ云い草だ。こいつ気でも違ったのではないかと、腹立しく思ったが、先を聞かねば、何となく気になるものだから、
「奥様がどうかしたのかね」
と尋ねると、主人は待ってましたと云わぬばかりに喋り出す。
「どうもせずとも、あの美しい顔がいけないのです。男の目には、天女の様にも見えましょうけれど、天女だって油断が出来ませんからね」
益々異様な言葉に、わしはもう目の色を変えて、
「それはどういう訳だ。お前さん何か知っているのか」
と主人につめよった。
アアこの老人、我が妻瑠璃子について、抑も何を語ろうとするのであろう。
恐ろしき笑顔
「あの笑顔がくせ物ですよ。私の家内も丁度あんな風な笑い方をしたものです」
と古着屋の主人は益々妙なことを云い出す。
「お前さんのお神さんがどうかしたのかね」
「家内ですか。家内は私がこの手で殺してしまったのです」
亭主は薄暗い電燈の下で、影の多い顔を不気味に歪めて陰気な口調で答えた。