Japanische Klassiker mit Furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme
恋を盗まれた男のみじめさを、嘗て大牟田敏清が味ったと同じくやしさを、まざまざと味うのだ。
わしは川村の恋の深さを知っている。彼は宴会の席でさえ、わしに掴みかかった程だ。わしの裏切り、瑠璃子の変心を知って、何でそのまま済ますものか。姦夫姦婦(彼にして見れば、わし達は正に姦夫姦婦であった)を八つ裂きにしないでは、心が癒えぬであろう。だが、瑠璃子の行衛は分らぬ。さしずめ姦夫であるわしの所へ飛んで来るに違いはない。ピストルを持ってか、短刀を持ってか。いずれにもせ、彼奴はわしをこのままで置く筈はない。
ちゃんとそこまで見通して、わしは彼奴の飛込んで来るのを待っていた。手負い猪に最後のとどめを刺す深い陥穽を用意して。その陥穽の底にはドキドキする剣を何本も植えつけて。
皆さん、今こそわしは、憎みても余りある姦夫川村義雄を、思う存分やッつける時が来たのだ。わしの心臓は嬉しさに躍った。白髪の復讐鬼は、血に餓えて、喉を鳴らしていたのだ。
で、川村の奴、わしの罠の中へ飛込んで来たかとおっしゃるのか。来ましたとも。哀れな獲物は、心の痛手によろよろと足元も定まらず、やって来ましたよ。