Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme

Aozora Bunko

余りと云えば、むごたらしいなさり方だ。

わしの生前に、悪業があったのですか。わしは友達を愛した。妻を可愛がった。だが、人間は勿論、虫けらさえも、故なく苦しめた覚えはない。それに、それに、この様な、ためしもない地獄の呵責を受けなければならぬとは。

わしはいやだ。一度の死は、悲しくとも苦しくとも、何人も免れぬ所だ。苦情は云えぬ。だが、一度死んだのでは足らず、人間最大の苦しみを、二度まで繰返さねばならぬとは。いやだ、いやだ。わしは迚も我慢が出来ない。どんなことをしてでも、この穴蔵を出ないで置くものか。

わしは気違いの様に、出る限りの声をふり絞ってわめいた。わめき続けた。はては、子供の様にワアワアと泣き出した。鹽っぱい涙が、口の中へ流れ込んだ。

だが、わしの破れる様な叫声、泣声は、四方の壁に谺して、二倍三倍の怪音となって、わし自身の耳にはね返って来るばかりだ。穴蔵は淋しい郊外の小山の中腹にあるのだ。そこの細道は、わしの家の葬式の外は、滅多に人の通らぬ所だ。いくら叫んだとて、誰が助けに来るものか。又仮令わしの声を聞きつけるものがあったとしても、その人はわしを助け出すどころか、却って、気味悪がって、一目散に逃げ出すに極っている。