Japanische Klassiker mit Furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme
奥の方から順番に並べて行く慣例だから、一番手前の棺が、一番新しい死人を葬ったものに相違ない。
わしは、十七歳の折父の葬式に列したきり、この墓穴へ近づいたこともないけれど、ここへはわしの分家のものなども、埋葬されることになっていたから、一番手前の棺には、存外新しい死骸が入っているかも知れぬ。エエと、わしの親戚で、ごく最近なくなったのは誰であったか。
オオ、そうだ。分家の娘のお千代が死んでいる。分家といってもわしの家とは永らく仲たがいになっていて、日頃余り行来をせぬけれど、墓場丈けは、先祖からのならわしで、ここへ葬ったのをちゃんと覚えている。
それを知ると、わしはもう、耐らなくなった。本当に腹の減った気持を知らぬみなさんには、この時のわしの喜びを想像することは出来まい。まさか、なんぼなんでもと、みなさんはきっと顔をしかめるだろう。
だが、浅間しいことに、わしはニヤニヤと笑い出したのだ。肉食獣が獲物を見つけた時の様に、我を忘れて、鼻をヒクヒクさせ、舌なめずりを始めたのだ。
わしは金属製の燭台を握ると、ゴソゴソとその新しい棺の方へ這い寄って行った。どうして蓋をこじ開けたのか、もう無我夢中であった。