Japanische Klassiker mit Furigana
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Lesen Sie 真珠夫人 (しんじゅふじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.296 Zeichen · 578 Bildschirme
今までは、母が幾何若い男性を、その周囲に惹き付けていようとも、それは美奈子に取って、何の関係もないことだった。が、この青年までが、母の周囲に惹き付けられているのを知ると、美奈子は平気ではいられなかった。かすかではあるが、母に対する美奈子の純な濁らない心持が、揺ぎ初めた。
美奈子が、心持足を早めて、玄関の方へ近づいて見ると、青年は取次が帰って来るのを待っているのだろう。其処に、ボンヤリ立っていた。
彼は不思議そうに、美奈子をジロ/\と見たが、美奈子が此の家の家人であることに、やっと気が付いたと見え、少し周章気味に会釈した。
美奈子も周章て、頭を下げた。彼女の白いふっくりとした頬は、見る/\染めたように真赤になった。その時に丁度、取次の少年が帰って来た。青年は待ち兼ねたようにその後に従いて入った。
美奈子が、玄関から上って、奥の離れへ行こうとして客間の前を通ったとき、一頻り賑かな笑い声が、美奈子の耳を衝いて起った。今までは、そうした笑い声が、美奈子の心を擦りもしなかった。本当に平気に聞き流すことが出来た。が、今日はそうではなかった。その笑い声が、妙に美奈子の神経を衝き刺した。