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Japanische Klassiker mit Furigana

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つぶてしんじゅう

礫心中

野村 胡堂

Lesen Sie 礫心中 (つぶてしんじゅう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.190 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

水野越前守は、そのだらけ切った江戸の町人に三斗の醋を喰わせたのでした。

「なにさ、御触は御触、骨休めは骨休めだ、御政道にも裏表がある、其処にそれ、宜しくな、日夜御政道の為に御辛労遊ばす御奉行様へ、時偶は陽気なところをお目に掛けて、結ぼれたお心をお慰め申すのが、お上への御奉公と申すものだ、さアさア、私が承知だ、弾いたり、騒いだり」

金座御金改役、後藤三右衛門、禿げ頭を叩いて、鳥居甲斐を取巻いて居ります。

「後藤、ちと賑やか過ぎるぞ、外へ聞えはせぬか」

鳥居甲斐さすがに後ろめ度いのでしょう、脇息に凭れて、左右の美女の大群をニヤリニヤリと見廻し乍ら、こんな事を言って居るのでした。

「飛んでもない、風俗取締係の者が数十人で屋敷を堅めて居ります。――町人共が怪しんだら、狸囃が始まったと言え――と斯う言い付けました。ヘッヘッ」

向島小梅に新築した、後藤三右衛門の別荘落成祝いは、町奉行鳥居甲斐守を正客に、腹心の者を集めて、町芸者数十人を侍らせ、天下御免のドンチャン騒でした。

後藤三右衛門は、先祖代々の御金改め役ですが、わけても当代三右衛門は、頗る商才に長けた男で、鳥居甲斐守と結托して悪質の貨幣を鋳造し、物価を釣り上げて、一代に暴富を積んだしたたか者です。