Japanische Klassiker mit Furigana
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つぶてしんじゅう
礫心中
野村 胡堂
Lesen Sie 礫心中 (つぶてしんじゅう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.190 Zeichen · 28 Bildschirme
罪は悉く越前守
とお思いかえ、――さア、裸に剥いておくれ」
お豊は膳をハネ飛ばすと、鳥居甲斐の膝へ、グイグイと身を摺り寄せるのでした。
「…………」
甲斐守は薄笑ってそれを見詰めて居ります、あまりの無法な情景に、暫らくは停める者もありません。
「鳥居の御膳、イヤサ、江戸潰しの御奉行様、贅沢禁制のお触れは、まだ反古にはなりますまい、さア、私を裸に剥いて縛っておくれ、鳥居様遊興のお座敷から、縄付きにして突出して貰えば、私は本望だよ」
「…………」
「えッ、裸に剥く元気も無くなったのかえ、見やがれ、江戸っ子のお豊姐さんの肌を拝ましてやらア、憚り乍ら湯文字まで御禁制の絹だよ、眼を瞶すなッ」
スックと起上ったお豊、三右衛門以下の止める間もありません。一つ身体を捻ると、予て用意をしたものか、襲ねの晴着が肩を滑って、燃え立つ長襦袢の緋縮緬、右手には腹を合せた二挺剃刀が、数十基の燭台の灯を受けて、毒蛇のようにキラリと光ったのです。
「姉の敵、親の敵、覚悟しあがれッ」
凜とした声が、盛宴の席を圧します。
罪は悉く越前守
それから一刻ほど後、
同じ後藤三右衛門の別荘の構内、特に造らせた離屋の一室に、鳥居甲斐守と芸者お豊は、人交えもせずに相対して居りました。