Japanische Klassiker mit Furigana
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つぶてしんじゅう
礫心中
野村 胡堂
Lesen Sie 礫心中 (つぶてしんじゅう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.190 Zeichen · 28 Bildschirme
改革以来料理屋出合茶屋は上ったり、芸者の弾く三味線さえ忍び駒をかけて居たのが、江戸総取締のお奉行の許しが出たのですから、一座は割れ返るような騒ぎ――。
鬼のように思われた正座のお奉行様も、閻魔が飴を舐ぶったように、ニタリニタリと笑って居ります。
「後藤、後藤」
「ヘエ、ヘエ」
三右衛門はにじり寄りました、何んかお気に障ったのではあるまいかと思ったのでしょう。
「あれは何んだ、あの女は?」
「芸者でございます――が」
甲斐守の指す方を透し乍ら、三右衛門は恐る恐る応えました。
「あれでも芸者か、先刻から見て居ると、あの妓一人、歌も唄わず、三味も弾かず、時々予の方を睨んで、フ、フンと言い乍ら、すまして居るようじゃ、そのくせ、容貌は抜群だが――」
「御意」
三右衛門はバネ仕掛けのように飛上りました。金座の役人ともあろうものが、何を面喰ったか、若い芸者の後ろから飛付くように、グイとその肩を掴んだのです。
「あッ、何をするのさ」
振り向いたのは十七八、並ぶ者なき美しさですが、手酌で呷った酔が発したものか、ポーッと上気せた頬の色、キリリと眼を釣って睨み上げた凄艶さ、
「お前は何んの為に来た」