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Japanische Klassiker mit Furigana

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つぶてしんじゅう

礫心中

野村 胡堂

Lesen Sie 礫心中 (つぶてしんじゅう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.190 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

「つまらぬ事を申すな、――幾之助の腹痛は時候中りでもあろう、深く詮議して、罪の無い膳部係の者を陥れてはならぬぞ」

水野越前は、さすがに箸を捨てましたが、その上の追及を好まない様子です。

「万一、御屋敷中に不心得の者が居りましたならば、殿御身の上は申迄もなく、家中一同の難儀、ひいては天下の大事にござります」

堺藤兵衛怪しき膳部を睨んで一寸も引こうとはしません。

「当屋敷に、予が命などを狙う者がある筈は無い、――天下の政治を行えば、下役の者の手心に過られて、下々の怨を買うことは無いでもあるまいが、かりそめにも家臣の中に、主の命を縮めようと言う者があってはならぬ――、予は命よりも恥を思うぞ、老中が家臣に毒を盛られてはならぬな」

「ハッ」

「万々一にも左様の不心得者があれば、予の不徳のいたすところ、何のような用心をしても、その毒手を免れようは無い、――捨て置くが宜い」

「と申しても」

「万一詮議粗漏の為、罪の無い係の者に腹などを切らせてはならぬ。幾之助さえ助かれば仔細は無い、重ねて申してはならぬぞ、唯、膳部係の者によく申聞けて、余人の立入るのを許してはならぬ。女子供と雖ども油断は禁物だぞ」