Japanische Klassiker mit Furigana
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ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
Lesen Sie 禰宜様宮田 (ねぎさまみやた) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.662 Zeichen · 68 Bildschirme
三
永い間ジーッと考えれば、云われないこともなかろうが、何にしろ、今こうやって年寄りが面と向って口元を見守っているときなどに、どうして平気でそんなことが考えていられよう。
彼のいい魂は、すっかり恐縮してがんじょうな胸の奥にひそまり返っていたのである。
幾度云っても聞かないのを見た年寄りは、内心に意外な感じと、先ず儲けものをしたという安心とを一どきに感じながら、たった一円の包みを眺めた。
そして、何となしホッとしながら、けれどもどこまでもせっかく出したものを突返された者の不快を装いつつ、不機嫌そうに傍の手文庫を引きよせて、包みを入れると、ピーンと錠を下してしまった。
隅々の糸がほつれている色も分らない古巾着を内懐から出して、鍵を入れると、
「一銭や二銭のお金じゃあなし、遣ろうと云えば、一生恩に被る人が、ウザウザいうほどあります。ただ湧いて来るお金じゃあなしね」
とつぶやきながら、うなだれている禰宜様宮田の胡麻塩の頭を眺めて、彼女は途方もない音を出して、吐月峯をたたいた。
三
海老屋の年寄りは、翌朝もいつもの通り広い果樹園へ出かけて行った。
笠を被り、泥まびれでガワガワになったもんぺを穿いた彼女が、草鞋がけでたくさんな男達を指揮し出すのを見ると、近所の者は皆、