Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

「うち、本家がどない云おうと構めへんけど、玉置先生が止めにしやはることになってん」

「へえ、何でえな」

「お正月から洋裁学院が始まるねんて。そんで、洋行してる暇ないようになりはってん。―――」

玉置女史が洋行しようと云うのは、野寄の洋裁学院を改築しなければならないので、その間に、と云う訳だったのであるが、その後被害の状況を調べると、殆どもとの建物は役に立たなくなっており、根本的に建て直す必要のあることが分った。しかしそうなると、人手や資材の不足な時節柄、経済的にも時間的にも容易な仕事ではないので、この間から思案中であったところ、幸い阪急の六甲に大した費用を懸けないでもそのまま学院に利用出来る格安な洋館の売り物が見附かり、それを買うことになったのであるが、そう云う建物が手に入って見ると、直ぐにも再び学院を経営したくなったことが一つ。それと、女史の夫君が、矢張欧洲の動乱と云うことを心配し出して、洋行を中止するように勧告したことが一つ。何でも夫君の意見と云うのは、最近欧洲から帰朝した或る武官の説なのだそうであるが、それに依ると、その後独逸と英仏との関係は、去る九月末のミュンヘン会議以来表面小康を保っているけれども、決して相互が真の諒解に到達したのではない、英国はまだ戦備が整っていないので、一時独逸を油断させるために