Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme

Aozora Bunko

そうと分って見れば見るほど、尚更今日の電話の失錯は残念で残念で、地団駄蹈んで泣きたいような気がするが、もう泣いても仕様がない。機会は永久に去ってしまった。なぜその時に自分は家にいなかったのだろうか。自分がいたら先方の申込みを応諾させることは出来ない迄も、せめて人並な挨拶ぐらいはさせたに違いないものを。………そうしたら恐らくこの縁談は順潮に運んだであろうものを。………そして近い将来には婚約が整ったかも知れないのに。………それは必ずしも夢のようなことではなかったのだ。普通に行けば十中八九そうなったことなのだ。それにしても、ほんの五六分自分が家を空けた間にその電話が懸って来たとは! 人間の運と云うものは、実に実に偶然の詰まらないことで極まってしまうのであることよ。………幸子は諦めようとしても諦め切れず、その時自分がいなかったことが恰も自分の越度であるかのように悔まれ、選りに選ってその五六分の隙間に電話が懸ったと云うことが、雪子の不運であるようにさえ考えられて来るのであった。

「―――そない思うたら、腹も立つけど、雪子ちゃんが可哀そうになって来て、………」