Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme

Aozora Bunko

飾り付けと云っては一隅の三角棚に、西洋の骨董品らしい、きたならしく蝋涙のこびり着いた燭台と、その他二三の蚤市からでも買って来たらしいガラクタと、もう余程前の旧作らしい色の褪めた妙子の仏蘭西人形などが載せてあり、壁に小出楢重の小さな硝子絵が一枚懸けてあるだけで、本来は殺風景な部屋に違いないのであるが、病人の着せられている臙脂色に白い粗い市松模様を置いた、クレプ・ド・シンの嵩高な羽根布団が思いきり派手なのと、露台への出口が一間の引き違いの硝子戸になっていて、そこから射し込む日光がその布団の上一杯に照っているのが、ぱっと花が咲いたような明るさを齎しているのであった。病人は今少し熱が引いたところだと云うことで、心臓を上にして横向きに、幸子の姿が現れるのを待ち受けていたらしく、じっと瞳を入口の方に注いでいた。幸子はかねてお春から聞かされていたので、眼と眼と相会う最初の衝撃を恐れていたのであったが、でも幸いに、予め覚悟をしていたせいか、変り果てたとは云うものの、その窶れ方は密かに想像していた程ひどくはなかった。ただ円顔であったのが面長に、浅黒かった肌が一層黒ずんで、眼だけが異常に大きくなったように見えた。