Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
「なあ、お母ちゃん、何考えてるのん。………お花見いややのん?」
「待って見たところで、こいさんはとてもあかんことないか」
と、貞之助は妻の心持を察して云った。
「まあ八重にでも間に合うたら、又その時のことにして、一遍われわれで行こうやないか」
「こいさんは、今月末にやっと部屋の中を歩けるぐらいでっしゃろな」
と、雪子が云った。
雪子は貞之助と悦子が浮き浮きしているのに比べて、幸子の気勢が上らないのに早くも心づいていたのであったが、翌朝父子が出かけてから、
「そう云えば、啓坊のとこへ行って来たん?」
と、聞くと、
「いいや」
と云って、
「そのことで話があるねん。―――」
と、幸子は雪子を促して二階へ上り、八畳の間の襖を締め切って、昨日お春に聞いたことの総べてを告げた。
「なあ、雪子ちゃんはどう思う、婆やさんの云やはること本当やろうか」
「中姉ちゃんはどう思う」
「やっぱり本当と違うやろうか」
「あたしかてそう思うわ」
「みんなあたしが悪かったんやわ、………あんまりこいさんを信用し過ぎたのんが。………」
「そうかて、信用するのんが当り前やないの。………」
雪子は幸子が泣き出したので、自分も眼をうるませながら云った。