Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme

Aozora Bunko

「悦子よう留守番するよ。お春どんがいるさかいに、ちっとも淋しいことあれへん」

「あのなあ、雪子ちゃんの東京行きには、一つ条件がありますねん」

「へえ、どんなことや」

「ふ、ふ」

と雪子は、矢張笑っているだけなので、幸子が云った。

「井谷さんに悪いさかい、行かんならんとは思うてるけど、行ったら結局、自分だけが渋谷へ残されるようになりそうやよって、それが厭や云いますねん」

「成る程な」

「渋谷へ寄らんと置いたらええが」

と、妙子は云ったが、貞之助は反対した。

「それはいかんな、顔出しだけはした方がええな、知れた時に面倒やさかいに」

「そやよってに、いずれゆっくり出直して来させますけど、今度は一遍連れて帰ります云うて、あたしから味善う云うて欲しい、それ引請けてくれたら行く、云うてますねん」

「雪姉ちゃん、そんなに東京嫌いやったら、今度の話も先ず望みない思う方がええねんな」

「悦子もきっとあかん思うわ」

と、妙子の尾について悦子が云った。

「悦子、姉ちゃんがお嫁に行くのんは仕方ないけど、東京やったら止めた方がええ思うねん」

「悦ちゃんにそんなこと分るのんか」

「そうかて、東京みたいな所に行かしたら、姉ちゃんが可哀そうやわ。