Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
そして友禅の模様の上を這いながら袂の中に忍び込んだらしく、お納戸のたけしぼの地を透かして仄かに光っているのが見える。彼女は、蚊遣りの煙が余り籠ると咽喉を痛めそうなので、起きて、素焼の狸の容器に這入った線香の火を消した。それから、ついでにその蛍を掴まえて、―――手を這われると気味が悪いので、塵紙を円めてそうっと包んで、―――雨戸の無双窓の隙間から外へ放したが、見ると、先刻植込みの間だの池の汀だのにあんなに沢山きらめいていた蛍が、大方あの小川のほとりへ逃げ帰ったのでもあろうか、殆ど残らず飛び去って、庭は漆のような闇に復っていた。彼女は再び寝床へ這入ったが、矢張工合よく寝付かれないので、彼方此方寝返りを打ちながら、すやすやと寝ているらしい三人の寝息に耳を澄ました。八畳の間の、床の間に沿うて幸子、その隣に妙子、二人の向う側に雪子と悦子、と云う風に、四人が頭を両方から向い合せて寝ているのであったが、ふと幸子は、誰かが微かな鼾を掻いているのに気づいて、なおよく耳を澄ますと、それは雪子であるらしかった。彼女はその、細い、仄かな音を、こんなにも可愛い鼾があろうかと、感心しながら聞いていたが、その時寝ていると思った妙子が、