Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうどく
聴雨・螢 織田作之助短篇集
織田 作之助
Lesen Sie 聴雨・螢 織田作之助短篇集 (ちゅうどく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.162 Zeichen · 37 Bildschirme
私は競馬は好きだが、人が思うほど熱中しているわけではないから、それで身を亡ぼすことはあるまい。女――身を亡ぼしそうになったこともあり、げんに女のことで苦しめられているから、今後も保証できないが、しかしもう女のことではこりている。酒は大丈夫だ。泥酔した経験はないし、酔いたいと思ったこともない。酔うほどには飲めないのだ。
してみれば、私が身を亡ぼすのは、酒や女や博奕ではなく、やはり煙草かも知れない。
父は酒を飲んだが、煙草を吸わなかった。私は酒は飲まないが、煙草を吸う。父が飲んでいた酒は、一番たかい時で、一升二円だったが、私が今吸っている煙草は一本二円、ときに二円五十銭もする。
もっとも、私が煙草を吸いはじめた頃は安かった。私は京都の高等学校へはいってから吸った。中学校時代は吸わなかった。真面目だったから吸わなかったのではない。私は模範生徒ではなかった。ことごとに学校と教師に反抗していたので、私の操行点は丁であった。自然、不良性を帯びた生徒たちのグループに近づいたが、彼等は一人残らず煙草を吸うことで、虚栄を張っていた。私はこのこそこそした虚栄をけちくさいと思った。