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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうどく

聴雨・螢 織田作之助短篇集

織田 作之助

Lesen Sie 聴雨・螢 織田作之助短篇集 (ちゅうどく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.162 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

だから、おれだけはお前らと違うぞというつもりで、卒業するまで煙草は吸わなかった。いいかえれば、私の仲間は猫も杓子も煙草を吸っていたので、私はただ猫でも杓子でもないことを示したかっただけだ。因みに、私が当時ひそかに胸を焦がしていた少女に、彼等煙草生徒も眼をつけていたのだ。

高等学校へはいっても、暫らくは吸わなかったが、一年生の終り頃、私はある女の口の煙草のにおいに魅力を感じた。私はその女と会わないでいる時はせめて煙草のにおいをなつかしもうと思った。バットやチェリーやエアシップは月並みだと思ったが、しかし、ゲルベゾルテやキャメルやコスモスは高すぎた。私はキングという煙草を買って練習した。一箱十銭だった。

口に煙草のにおいのある女とは、間もなく別れた。その当座、私は一日二箱のキングを吸って、ゲエゲエと吐気がした。私は煙草をよそうと思った。新しい女が私の前に現われたのだ。

彼女はいつも仁丹を口にしていた。一日三円ぐらい仁丹をたべると言っていた。仁丹という看板を見たり、仁丹という言葉をきいたり、広告を見たり、箱を見たりすると、もう口にしないではおられぬらしい。