Japanische Klassiker mit Furigana
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はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Lesen Sie 肌色の月 (はだいろのつき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.706 Zeichen · 101 Bildschirme
「考えられ得ることだ」
「大池が自殺したのでなければ、これははじめから企んでやった偽装行為だ。この辺のところは簡単明瞭だ……捜査二課の追及は相当執拗だったから、さすがの大池も疲労してこんなトリックをつかって捜査を中止させようとした……自殺する場所はどこにでもあるのに、この湖水をえらんだのは、死体があがったためしがないという伝説を利用するつもりだったのだろう……幼稚だが、思いつきは悪くない。われわれでさえ、暗示にひっかかって、身を入れてやれなかった」
「話はわかるがね、判定してかかっていいのか」
「公式的でおはずかしいが、こういうことじゃなかったかと思うのだ……木曜日の午後に湖畔に着く。金曜日の未明までに偽装の作業を完了する。女はロッジに残ってわれわれの出方を見ている……あるいは妨害をして死体の捜査を遅らせる」
「宇野久美子が湖水へ飛びこんだのは、捜査を遅らせるための所為だったというわけか」
「そうもとれるということだ……そうして、われわれを湖のまわりに釘づけにしておいて、土、日の夕方、観光バスにまぎれこんで、袋の底からぬけだす……悲しくなるほど単純なところが、この企画のすぐれているゆえんだ。