Japanische Klassiker mit Furigana
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えんようき
艶妖記
山本 周五郎
Lesen Sie 艶妖記 (えんようき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.761 Zeichen · 38 Bildschirme
捕吏に向かって彼はこう威嚇した。「成木殿は大阪の名だたる大富豪の御令息で、その人柄の高潔と金銭に淡泊なる質と素性の正しさについては、一郷七カ村の庄屋たるこの武藤権右衛門が俯仰天地に断言してはばからぬ、しかるにあなたは無謀な思い違いからかくのごとき無法な行為をあえてなされた、すでに成木殿がわしの婿でありわしが成木殿の舅である以上、かかる名誉毀損と人権蹂躙と官権濫用に対しては断乎たる処置に出ることを承知なされるがよい」
「ははあ」捕吏の指揮者はこう応じた、
「するとなんですな、あなたはこの家の主じの舅に当たるというわけですな、彼の素性もその性質もよく知っている、つまりごく眤懇だとこういうわけですな」
「さればこそ」
「いや結構、われわれは闇七を捕り逃がした代わりに、連類を捉まえることが出来て満足です、繩打て」
「ちょっ、ちょっ、ちょっ」
権衛殿は蒼くなって両手を振りまわした、
「冗談じゃない、わしは闇七などという者に関係はない、あなたは譴責されますぞ」
「では伺いましょう、あなたの云う素性ただしき成木殿はどこにおいでかな」
指揮者はこう冷笑した、
「その大富豪の令息であり人格高潔なあなたの婿殿が、天床をぬけて逃亡されたのはどういう理屈になりますかな、令息ばかりではない彼の一味配下たる召使いどもまで、一人残らずきれいにずらかり