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Japanische Klassiker mit Furigana

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はですがたまんねんわかしゅ

艶容万年若衆

三上 於菟吉

Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

その世の中で一ばん美くしいものを、世の中で一ばん美くしい呉羽之介どのに教えるのが、何で悪い! お身は絵かきにも似合わぬ木強漢だの」

と、言う折から、先程から庭掃除をしていたかの老人が、軒下に来てうずくまり、露月に向って言いました。

「あそこに茂った矢筈ぐさが、兎角そこらにはびこりますが、聊かのこしてその外を刈りとりましてよろしゅうござりますか?」

「庭の苔をいためぬよう、善いようにのぞいてくれ」

主人の命をかしこんでふたたびかなたに帰ってゆく老いた下郎を眺めた時、呉羽之介のあでやかな面上に、颯と悲哀のいろがうかびました。

――そうだ、此の美くしさも永劫ではない――

呉羽之介は先程の片里の言葉を思い出した。

げに、一刻千金春宵のながめよりも儚なき青春よ!

このあでやかな自分のすがたも、若かければこそ美麗なれ、瞬間にしてあの醜い老の波は全身を押しひさし、やがてこの身もあの下郎とあまり変らぬむさいものとなるにきまっている――

と、考えて、呉羽之介は、たった今われとわが身の比類ない美くしさとその値打とに気がついた身であるだけ、一そう激しい失望に襲われるのでした。