Japanische Klassiker mit Furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme
呉羽之介曩日の祈誓納受されしを知りて 愈堕落の淵に沈む事
こんな悲しい、味気ない浮世にはわしゃもう飽きた……じゃ、すぐお側へゆくぞえ……」
お春は紅のしごきを解いて、堅く膝をくくり合せ、襟を開けて真珠の胸を露わしたが、やがて金簪を乳房の下に突き込んで、そのまま前に倒れ伏しました。一声鋭どい苦悶の声が、噛みしめた歯の間を洩れたが、その声が微に消えると、その後へ限りない静けさが来ました。
呉羽之介曩日の祈誓納受されしを知りて
愈堕落の淵に沈む事
その翌日の朝です。呉羽之介は我家なる書斎に坐って、朝茶を飲み乍ら昨夜の恋の紛紜を考え出し熱く邪気ない恋をしてくれた小娘をああした邪慳な捨て方で捨ててしまったのがどうやら残り惜しくも思われれば、またあのような下流な女に関係って、もすこしで大事の青春を縛られてしまうところを、よくもまア我乍ら思い切ったものだなどと考えもしながら、半ばは気が尤めるような、半ばは重荷を下したような気持で四辺を眺めていると、ふと彼の眼に床に掛けたかの露月が筆になったおのが絵姿に注がれたのであるが、その瞬間、呉羽之介は思わずアッと驚きの声を揚げて、席を立って床の前に走り寄りました。
呉羽之介は毎日見馴れたおのが絵姿を眺めつつ、一体何を驚いたのでしょう! これが驚かずにいられようか――今朝見るあの絵姿の面影は、きのうのそれとは確かに変った表情をしているのです