Japanische Klassiker mit Furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme
「やおれ、妹の敵――逃がすものか!」
呉羽之介は飛び退って刀へ手を掛け乍ら、
「妹の敵? 私は敵呼わりされる覚えはない」
「言って聴せる。よく聞けよ。今から十年余り前お主に捨てられて自害した、お春が兄の久次は俺だ。常々妹に言ってきかせた通り、あれを邪慳にした奴をば、俺は皆敵を取る、ぐずぐず言わずに往生しろ」
呉羽之介は、ギックリしました。が、やがてカラカラと嘲笑って、
「十年余り前私が女を捨てたとナ――つまらぬ事を言わぬがよい。さア、私の顔を見よ」
男は不審な顔付になって、月の光に相手の面輪を透し見ました。そして呆気にとられて手の種ヶ島を取落しました。
「成程これは無調法……十年前なら其方はまだ子供でござったろう――やあ、思わぬ罪を作るところ何卒平にゆるして下され人違いじゃ」
「ははは。気をつけたがよい」
船乗らしい件の男は、取落した種ヶ島を力なく拾って、トボトボと前の酒店へ帰ってゆきます。
「どうして生かして助けたぞえ」
以前に呉羽之介を指して囁いた流れの女が男に言いました。
「どうしても、こうしても……お主のお蔭で罪もない若衆を殺すところ、妹が死んだ頃あの仁はまだ子供じゃったぞ」