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Japanische Klassiker mit Furigana

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はですがたまんねんわかしゅ

艶容万年若衆

三上 於菟吉

Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんならお前は知らぬのかえ、あの男は万年若衆と江戸で名高い、いつまで経っても若衆でいる妖怪なのじゃ。わしが吉原にいた頃からあの男はいつもあの年頃……」

「そりゃ真個か!」

「真個も嘘も――名高い事じゃ」

と聴いた男は狂気の如く、再び呉羽之介の行方を追いかけました。

けれども、もう、呉羽之介の姿はどこにも見えません。

一方、呉羽之介は、男の手から逃れるや否や細い横丁へと駈け込んで、人無き方へと逃げのびました。

到頭呉羽之介がさ迷いついたのは、屋根も朽ち壁も落ちた破れ寺の境内でした。胸の動悸を静めるために、こおるが如きかけひの水を一掬して、冷たい石段に腰を下しました。

と、折しも本堂では、老僧の声で物も哀れに普門品を読誦しつつ、勤行の鉦の音が寂しくきこえて来ます。

呉羽之介は耳を傾けるともなく、心耳を清くして聴き入りました。

その純い読経の声が、汚れた彼れの胸に呼び起したのは何でありましたろう。その後一度も思い出しもせなんだ、あの初めの女のお春の面影でした……まことに、あの兄なる者の言う通り彼女を殺したのは手を下さずとも此の自分でなくて何人か?

呉羽之介は不思議にも、先程の恐ろしい出来事と今聴く淋しき看経の声とに頭が擾され、今迄の来し方を思い出しました。