Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

Lesen Sie 若殿女難記 (わかとのじょなんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.611 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

十一

というように泣きべそをかいた。「いま籤を作って来るからそこに待っておれ」紋太夫はこう云って、若さまと一緒に表へ出た。

「僅か十日やそこらで」紋太夫はつくづく若さまの顔を眺めた、「――僅か十日やそこらで十七人とは」

「我ながらこれには呆れた」

「呆れるのはこっちだ、いったいあれだけの人数をどうする積りなんだ」

「どうったってしょうがねえ、ちょいと口を利くと出来ちまうんだ、おらあもううんざりした、みんなおめえに遣るよ紋太夫」

「黙ればか者、それどころではない大事が迫っているんだ、はっきりしろ」

紋太夫は窓井と金吾を呼んで、「当りのない籤を十七本作って引かせろ」と命じ、また今夜は若さまを表へ寝かせるようにと注意して自分の小屋へ帰った。――それから三日めの夜のことである、松田久弥、灰山、額田、それに紋太夫の四人が若さまの居間に集まった。いよいよ予ての事を断行するときが来たのである。松田用人は長い巻紙に書いたるものをそこへ置き、「これをよくみろ」と若さまに云った。

十一

「第一条から第八条まで、江戸家老以下の政治壟断、私曲秕政、収賄涜職の事実が挙げてある、これを明日、おまえが御前で読みあげ、記してある重職五名それぞれ永蟄居、閉門、追放を申渡すのだ」