Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

Lesen Sie 若殿女難記 (わかとのじょなんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.611 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「出迎えたいぎであった」広間へ通った大助さまは、家臣たちの祝辞挨拶に対してこう仰せられた。

「旅中の骨折りさぞかしと思う、盃をとらせたいから酒宴の用意をせよ、無礼講じゃ、妓どもなど呼んでまいれ」

「おそれながら」五十塚がびっくりして手をあげ、ぐいと片眼で厳しく睨みながら、「このたびの御出府は大切の御儀なれば、途中でさようなお慰みは相成りますまい、平にお控えあそばすよう」

三

その夜は金谷のお泊りであったが、若さまが寝所へはいると紋太夫がやって来て、「この馬鹿者」と叱りつけた。隣りには津山から供をして来た侍たちがいるから、声は低いが恐ろしく凄んだ怒り方である。

「あれほど遊んでもまだ妓などとぬかす、国から来た供に気付かれたらどうするのだ。貴様ほどおんな好きの馬鹿もない、本当に縛り首だぞ」

「だがなあ紋太夫」若さまはにやりと笑って云った。「おれはおんな気なしでは半日も過せねえ人間だ、それは初めにちゃんと断わってある。行儀も言葉も云われるとおりにするが、おんなだけはちゃんと付けてくれなければ困る、そう云ってある筈じゃないか紋太夫」

「黙れ、この痴れ者、江戸の御殿へはいれば侍女腰元が付く、それまで辛抱しろというのだ」