Japanische Klassiker mit Furigana
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わかとのじょなんき
若殿女難記
山本 周五郎
Lesen Sie 若殿女難記 (わかとのじょなんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.611 Zeichen · 45 Bildschirme
――大助さまは伯耆守の二男で、十五歳の年に或る事情から国許へ移されていた。名目は「風狂」ということになっているが、実際は世継ぎ争いであって、妾腹の子の栄之進を世子にするため、彼が追われたというわけなのである。しかるに栄之進が今年の春に死去し、伯耆守が病床に臥して再起の望みなしと宣告されたので、改めて彼が世子として江戸へ迎えられることになったのだ。こう申上げれば、察しの早い読者には大助が悲運の公子であることを御諒解なさるであろう。しかも江戸へ迎えられてゆく現在、なおその蔭になにやら悪謀めかしい企みがあることを思えば、今後の運命もまた非なりと云わざるを得まい。だが行列が着いたようだ、十八人の家臣に守られて乗物が停まると、我らの大助さまが悠然と現われた。――大助さま、美作のくに津山十八万六千石の若殿、だが、いやはやなんと御覧なされ、いま乗物から立ち出た大助さまは、ゆうべ夜陰にこの宿から出ていった伝吉と瓜二つでござる、いや瓜二つどころかむしろ伝吉その者と云っても差支えござらぬ、謎は解け申した、五十塚はじめ一味の奸臣どもは、不敵にも「若殿すり替え」をやってのけたのでござる。