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Japanische Klassiker mit Furigana

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

Lesen Sie 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.224 Zeichen · 269 Bildschirme

Aozora Bunko

銀座通に鉄道馬車が通って、数寄屋橋から幸橋を経て虎の門に至る間の外濠には、まだ昔の石垣がそのままに保存されていた時分、今日の日比谷公園は見通しきれぬほど広々した閑地で、冬枯の雑草に夕陽のさす景色は目のあたり武蔵野を見るようであった。その時分に比すれば大名小路の跡なる丸の内の三菱ヶ原も今は大方赤煉瓦の会社になってしまったが、それでもまだ処々に閑地を残している。私は鍛冶橋を渡って丸の内へ這入る時、いつでも東京府庁の前側にひろがっている閑地を眺めやるのである。何故というにこの閑地には繁茂した雑草の間に池のような広い水潦が幾個所もあって夕陽の色や青空の雲の影が美しく漂うからである。私は何となくこういう風に打捨てられた荒地をばかつて南支那辺にある植民地の市街の裏手、または米国西海岸の新開地の街なぞで幾度も見た事があるような気がする。

桜田見附の外にも久しく兵営の跡が閑地のままに残されている。参謀本部下の堀端を通りながら眺めると、閑地のやや小高くなっている処に、雑草や野蔦に蔽われたまま崩れた石垣の残っているのが見える。その石の古びた色とまた石垣の積み方とはおのずと大名屋敷の立っていた昔を思起させるが、それと共に私はまた霞ヶ関の坂に面した一方に今だに一棟か二棟ほど荒れたまま立っている平家の煉瓦造を望むと、御老中御奉行