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Japanische Klassiker mit Furigana

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

Lesen Sie 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.224 Zeichen · 269 Bildschirme

Aozora Bunko

濡れた水着のままでよく真砂座の立見をした事があった。永代の橋の上で巡査に咎められた結果、散々に悪口をついて捕えられるなら捕えて見ろといいながら四、五人一度に橋の欄干から真逆様になって水中へ飛込み、暫くして四、五間も先きの水面にぽっくり浮み出して、一同わアいと囃し立てた事なぞもあった。

泳ぐ事もできず裸体で川端を横行する事も出来ぬ時節になっても、自分はやはり川好きの友達と一緒に中学校の教場以外の大抵な時間をば舟遊びに費した。

われわれは無論ボオトも漕いだ。しかしボオトは少くとも四、五人の人数を要する上に、一度櫂を揃えて漕出せば、疲れたからとて一人勝手に止める訳には行かないので、横着で我儘な連中は、ずっと気楽で旧式な荷足舟の方を選んだ。その時分にはボオトの事をバッテラという人も多かった。浅草橋の野田屋や築地の丁字屋から借舟をするにしても、バッテラと荷足とは一日の借賃に非常な相違があった。

土曜といわず日曜といわず学校の帰り掛けに書物の包を抱えたまま舟へ飛乗ってしまうのでわれわれは蔵前の水門、本所の百本杭、代地の料理屋の桟橋、橋場の別荘の石垣、あるいはまた小松島、鐘ヶ淵、綾瀬川なぞの蘆の茂りの蔭に舟をつないで、代数や幾何学の宿題を考えた事もあった。