Japanische Klassiker mit Furigana
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きくやしき
菊屋敷
山本 周五郎
Lesen Sie 菊屋敷 (きくやしき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.620 Zeichen · 71 Bildschirme
……晋太郎にはお萱が付いていったのであるが、帰って来るとお萱はひどく感心したようすで、「まあごらんあそばせ、こんなによいお支度を頂きました」とすぐにその品々をとりひろげてみせ、晋太郎を呼んで着付けさせた。なるほど高価なよい品だった、妹の好みらしく、染め色も縞柄もおちついた、ひんの良い選みで、少しはでだというほかには難のない支度である、すっかり着付け終ると、晋太郎はおどろくほどおとなびて凛々しくみえた。
「ああおりっぱにみえます」志保はしずかに見あげ見おろしして云った、「……あなたも嬉しいとお思いでしょう、晋太郎」
「ええ嬉しゅうございます、でもなんだか少し、少しよすぎて恥ずかしいようですね」
「そう、よすぎて恥ずかしいの」
「だってこんな物を着ていると、きっとみんなが笑うだろうと思いますよ」かれはたいそうまじめな調子でそう云った、「……ただ新らしいだけだって笑うんですからね、いつか足袋をおろして頂いたときなんか困ってしまいましたよ」
本当に困ったらしく眉をひそめるのが可笑しくて、お萱はつい声をあげて笑ってしまった。志保はそのとき座を立って、「ちょっとこちらへいらっしゃい」