Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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らしんのにょせん

裸身の女仙

野村 胡堂

Lesen Sie 裸身の女仙 (らしんのにょせん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.437 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

「斯う言うわけだ、お鳥殿、その美しさに、ポルトガル国の船乗りの血を引いて居る為、いろいろの禍が後からあとと起ったのであろう。――併し、もう大丈夫、及ばず乍ら、この萩江鞍馬がお力になって、山の中から、街の中から、好みの場所に、安穏に送らせて進ぜよう、お鳥殿」

お鳥は、あまりの事に、暫らくは言葉もありませんでした。が、

「有難う御座いました。五年間もお探しなすった上、危い命までお助け下さって、お礼の申上げようも御座いません、が、私のような者が長らえては、反って諸方に御迷惑、私もまた因果が恐ろしゅう御座います。さらばで御座います、萩江様――」

「あッ」お鳥は身を跳らして、再び寄せた、狼の大群の上へ、自分から身を投じようとしました。が、これも危ういところで、鞍馬に抱き止められました。

「萩江様、どうぞ、殺して下さいまし」

「いや、そんな事はならぬ」

二人は争う弾みに、足を踏み滑らして、もう一度落ちかけましたが、辛くも萩江鞍馬の手が、お鳥の全体重を留めて、小さい枝にブラ下りました。

「お鳥殿、たって死のうと言われるなら、拙者も一緒に、――手を離そうか」

「いえいえ、それはなりません、助かりましょう。