Japanische Klassiker mit Furigana
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きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
博士は、親しげな笑顔で私を振りかえった。目は、おだやかなそれまでと同じものに戻っていた。
「異常をおこした一羽は、たちまち疎外されて、他の鳥たちはその一羽をまるで相手にしません。……ご存知でしょうが、家鴨は、顔や外観より、声音でおたがいを認知します。そして、かれらの心の安定に障害をあたえるものを、ひどく敏感に排斥するのですね」
博士は言葉を切り、考えこむような顔になってつづけた。
「こんな例があります。あるとき、一羽の雄の家鴨が妙な行動を示して、家族の成員から排斥され、無視され、やがて完全にここでの家鴨たちの社会から、追放されてしまいました。ほどなくそれが死んで、私が解剖したのですが、どこかのハンターの流れ弾を受けたらしく、脳に傷があって、そこに腫瘍ができていました」
「ほほう」
私は興味をもって訊ねた。
「人間でいえば、発狂していたというわけですね?」
「まあそうです。違うルールを生きる存在だったわけです。家鴨たちは、そういう一羽にたいしてはじつに手きびしい。もっとも、人間だって同じことですがね」
「でも人間のほうが、まだしも義理だとか愛だとかで、いったん結んだ関係に引きずられる」