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Japanische Klassiker mit Furigana

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きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

恐怖の正体

――だから、私は屍体なんかこわくはないっていったんだ。私には、人間の生命ってやつが不気味なんだ。なにをしでかすかわからないし、それはおそろしく、むごたらしく、奇怪で、醜悪なものだ。私のこわいのは、それだ。……まえまえから、私は、ただそのことだけをいいつづけてきたんだ。

喉ぼとけの突き出た瘠せた若い男は、そういうとコップの水を一息に飲んだ。彼は小柄で、負けた犬みたいなおどおどとした目つきをしていた。が、その目を急に昂然とかがやかせて、速口にしゃべり出した。……

ところが、奴はその私を、私の恐怖を、ぜんぜん理解できなかった。……奴は、バカか狂人か、その両方かに違いないんだ。まったく、悪い奴にとっつかまったもんです。

え? 彼と知り合った動機ですか? それはね、奴の細君を通じてです。彼の妻は、私の小学校の同級生で、金がないので家にあった時代ものの指環や首飾り――ええ、誰のものかは知らないが、親父の代からあったんです――の買い手をさがしている私に、古道具屋なら夫がよく知っているから、と親切にいってくれたんです。

ええ、道でひょっこり逢いましてね。一月ほど前のことです。