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Japanische Klassiker mit Furigana

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きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

と私はいった。「鳥たちには、関係はあっても絆はないのですね?」

博士は、微笑したままやや長く私をみつめていた。

「ひとつ、面白い話をしましょう」

と、彼はいった。

「まだ、仲間から排斥されたあの家鴨が生きていた頃のことです。……ある日、偶然に一人の婦人がここに見学に見えましてね。ミセス・デーヴィスという方でしたが、その人が、例の家鴨の声を聞いて、とたんに血相をかえたのです。そして叫びました。『ああ、あれは私の夫の声です!』そして、窓からその家鴨を見て、彼女は蒼白になって私にいったのです。『ああ、あれは私の夫の顔です! 私の夫の目です!』……私はおどろいて、その婦人にたずねました。するとその夫は、朝鮮で大脳に爆弾の破片をうけ、帰還したことはしたのですが、いつのまにかどこかへ行ってしまい、いまは行方不明になってるんです」

――突然、博士は池のほうを振り向き、手を口に当てて奇妙な叫びごえをあげた。あたりの静寂を映す鏡のような池の面に、それは二、三度くりかえされ、そのたびに疎らな林の梢に消えていった。

私は、博士がなにを叫んだのか、なにが起ったのか、見当もつかなかった。