Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
先生、ぼくはいつもそんなことばかり思っているんだ。ひまさえあれば、いつだってぼくは先生のところに駈けつけます。ぼくはそんな気持ちなんだ。だから先生、先生だけはぼくのことを信じていて。ね? ぼく、ぜったいに先生とは別れない」
「……ごめんなさい」と、彼女はいった。
ふと、青年はあることを思いついた。
「先生。……先生は、ぼくのために、わざとぼくと別れようと考えたの? ぼくを怒らせ、ぼくを先生からはなれさせるために、こんなことを思いついたの?」
「そんなんじゃないわ。坊や。それはあなたの誤解よ」
しずかに、彼女はいった。
「坊や、ゆるしてね。私が悪かったわ」
彼女はコニャックを喉に流しこもうとした。その掌を青年がおさえた。
「ダメだよ、そんなに飲んでばっかりいちゃ。喉に悪いのはわかりきっているじゃありませんか。なぜそう自分を大切にしないの?」
「ありがとう」
素直に、彼女はグラスをテーブルに戻した。青年は、その目が充血し、涙でいっぱいになっているのを見た。
「坊や、あなたは、私とはもう二度と逢いたくないと思っているんでしょう?」
「そんなこと、……」
青年は唇をとがらせた。