Japanische Klassiker mit Furigana
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きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
いっしょに古道具屋をまわっていても、喫茶店で一休みをすれば、かならずそんな写真を出します。警察に私を呼び、なんとかして解剖室に連れこもうともしました。私がそれを避け、彼とは町角でしか約束せず、どこでも一休みしないことに決めると、こんどは歩きながら、ふいにポケットから写真を出し、私の目の前に突きつけます。……
そのたびに私が悲鳴をあげ、失神しかけるのが、彼には何んともいえぬ甘美な快楽らしいのです。彼は、私が、貧血をおこすたびに、まるで悪魔の凱歌のように高らかな、たのしげな笑い声をあげてうれしがるのでした。
……だが、私はだんじて屍体がこわかったのではないのだ。このことは、ぜひわかっていただきたい。名誉にかけていうが、私は、屍体なんかひとつもこわくはない。こわいどころか、私は、生きている人間より、屍体のほうがずっと好きだ。ずっと安全で清潔で、安心して気らくにつきあえます。嘘じゃない。強がりでもない。私は正直な人間だ。私はただ、自分をごまかすことができない男なんです。
くりかえすが、私のこわいのは、生きている人間、いつ爆発するかわからない活火山みたいな、危険で醜怪なその内部であり、そういう理不尽な人間の生命なのだ。