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Japanische Klassiker mit Furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme

Aozora Bunko

新子は、子爵の英語を相当なものだと感心して聴いていた。

新子は、富も位置もあり、教養もあり、容貌にも健康にも恵まれている青年が、前川別荘に来て、高慢な夫人の、相手をしているなど、本当に夫人が好きなのであろうか。それとも、愛人がないので閑暇なんだろうか。どちらにしても、何だか少し気の毒のように思った。

しばらく見ていると、青年はズボンのポケットから新しい四角にたたんだ麻のハンカチーフを出すと、新子に渡して、

「顔を掩うていらっしゃい。洋服ならいいけれど、和服で日焼けなさると、お困りになるでしょう……」といった。

新子は、笑いながら、大きなハンカチーフを拡げて、頭から天蓋のようにしながら、

「安心しましたわ。貴君には、やっぱり愛人がおありになるんだわ。」と、初めて、本当の親しみを見せて、スパリとした口のきき方をした。

「なぜです。」青年は、驚いたように訊き返した。

「だって、レディにご親切だから……」

「じゃ、今までは僕に愛人なんかいないだろうと、心配していて下さったんですか。」

「だって、あまりお閑のように、お見受けしましたの、ほほほほ。」

いたずらいたずらした新子の眸が、相手の言葉を誘い出すように輝いた。