Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme

Aozora Bunko

雷雨の中

一

「ですから、私もあの人に出て行ってくれなんて、ちっとも云いませんのよ。でも向うから暇をくれと云う奉公人に、主人が頭を下げて、どうぞ居てくれとも云えないじゃありませんか。あの人も、少し高慢なところが、瑕ですわ。もう、少し素直だとほんとうにいい人なんですけれど。」

「ふむ。」準之助氏は止むを得ずうなずいた。夫人がこうも円転滑脱、弁舌さわやかに、自分の立場を明らかにした以上、こっちからそれを崩しにかかることは、たいへんである。下手に、かかって行けば、たちまちヒステリックに不貞くされてしまうに違いないのだ。夫人が、まだ表面だけでも体裁のいいことを口にしているのを、よいことにして、新子を引き止める承諾を求めるのが肝腎だと考えた。

雷雨の中

一

準之助氏は、もの静かに云いつづけた。

「しかしね。かわりの先生を雇うにしたって、すぐにいい人はないに定っているし、折角小太郎も勉強ぐせが付いたのだし、ともかく夏休み中だけでも、南條さんに居てもらおうじゃないか。」

「ええそりゃ、あの人が私に謝って来さえすりゃ、今日のことは何も無かったと思ってあげられるわ。」と、夫人は大いに寛大なところを見せた。