Japanische Klassiker mit Furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme
家庭の嵐
一
「僕もいささかこわいですよ。中へおはいりなさい。一緒に居ましょう。」と、準之助氏は、窓ぎわから離れた。
二人は、両方から部屋の中央に歩み寄った。
一足先へ、この空家にはいった準之助氏の心には、新子に対するなまめいたある感じを抑えることが出来なかった。
嵐に包まれた家の中に、二人ぎりでいる。お互に、身近く立っていると、準之助氏は、さっき坂を下るとき、手を取ってやった新子の雨にぬれた生暖かい肌の感触が、ゾッとするほど、心の中に生き返って来た。
家庭の嵐
一
夕立は、その始まり方の凄じさ、速かさと同じように、幕切れもアッケなく早かった。
雨は水沫だけのように、空一面に、細く粉のように拡がった。風も、それに準じて、勢いを収めて、見る内に、山の頂きには青空が顔を出した。
雷の八つ当りは、もう大丈夫だろうかと検すように、森の中でかっこうがホルンを吹奏した。
天と地との間には、もう鬱積がなくなったように、快い風と光とが躍りはじめた。
見事なトサカを持ったレグホン種の真白い雄鶏が、納屋から飛び出して、ときを作った。
白い綿雲が邪魔扱いにされて、低い空をグングン流れて行く、一番いたぶられた月見草や芝草が、綺麗に露で化粧をして、あまやかな土から、徐々に頭をもたげかけている。