Japanische Klassiker mit Furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme
四
何も見まい何も聞くまいと、薄い掛蒲団の下で、ジッと眼をつむって、寝入りばなを装っているのに、
「お姉さまア。眠っているの。ウソでしょう。お姉さまったら……」と、またしても気になる、からかい気味の言葉である。
「何よ。うるさい。少し気分がわるいんだから、静かにしてよ。」と、にべもなく、つっぱなして、眼をつむるのに、
「気分が悪いなんて、ごまかしても駄目よ。さっき、見ちゃったもの。いいところを!」と、いわれて思わず、眼を刮って、
「貴女も帝劇へ行っていたの?」と、語るに落ちた。
四
小さい机の端に、灰皿とも飾りとも付かずに、置いてある綺麗な小皿を、手元に下して、美和子はこの頃吸い覚えたらしい無器用な手付きで、チェリイの煙を、もくもくとただ吹き上げて、
「だって、随分目に立ったわよ。あんなブワブワとした珍しい自家用に、スマートな紳士と一しょに乗り込むんだもの。あの人、誰?」新子は、その話をさえぎって、
「美和ちゃん、貴女誰と帝劇に行っていたの?」と開き直って訊いた。すぐ(美沢にも見られたかしら!)と、ワクワクと、胸先に苦しさが来たからである。
「クライヴ・ブルックみたいじゃないの。